肌のお手入れに関するFAQ

 

 

谷 祐子 医学博士(日本形成外科学会専門医)による、お肌のお手入れに関するFAQコーナーを準備中です。お肌のことに限らず、医療全般のこともお答えいたしますので、こちらのページでご質問下さい。

Q 1

プラセンタって何ですか?

 

A 1

プラセンタというのは胎盤由来の物質を総称してそう呼んでいます。プラセンタは日本由来の美容物質といってもいいかもしれません。正式ルートでは日本製物製剤という日本の企業がプラセンタ製剤を製造販売しています。http://jbp.placenta.co.jp/

 

この会社のつくるラエンネックという注射はヒトの胎盤由来のものです。いわゆるヒト製剤ですが、1974年の販売以来約30年にわたって、重篤な感染症の報告はありません。ですが、この注射をいったん治療で使いますと、日本では献血ができないことになっています。

 

またサプリメント、化粧品等は、ウマやブタなどの動物胎盤由来のものになります。現在のところプラセンタはドイツや欧州では治療に使われることはほとんどないようです。日本製物製剤の欧州支店はスイスにありますので、今後この治療がひろく受け入れられるようになる可能性はあると思います。

 

 

Q 2

顔の小さなホクロが気になります。わずかながら大きくなっているような、たれてきているような気がします。一度はイボコロリで撃退成功しましたが、イボコロリは強そうな薬でちょっと怖いので、他に何かいい方法はないでしょうか? レーザー治療しかないでしょうか。

 

A 2

残念ながらイボコロリでほくろをとることはできません。ほくろというのは母斑細胞性母斑ともいい、皮膚の表層のみならず、真皮レベルまでほくろの細胞が存在しています。急速に増大傾向のあるもの、また目安として7mm以上の大きいもの、隆起しているものなど手術で病理検査を必要とする症例もあります。それ以外の小さなほくろは炭酸ガスレーザーでの治療が可能です。

 

 

Q 3

肌が乾燥します。ひどい時は、はたけと言うのでしょうか、白くカサカサします。どうしたら一番いいでしょうか?

 

A 3

はたけとは子どもの顔、腕、脚にできる10円玉大の円形の白いカサカサした湿疹のことです。かゆみなどの症状はないため、冬には目立たないことが多いのですが、夏になり周囲の皮膚が日焼けをすると目立つようになります。

 

アトピー性皮膚炎の子どもによくみられます。カサカサした部位には入浴後、ワセリンなどで乾燥しないよう皮膚を保護します。また目立たないようにするためには周囲の皮膚を含めて日焼け止めを使うなど紫外線からの保護も重要です。

 

 

Q 4

子供の時から肌が弱く、切り傷などでバンドエイドなどをしても粘着テープで貼りついた部分が赤く腫れてしまいます。傷ができた時に何かいい方法はあるでしょうか?

 

A 4

テープかぶれは粘着剤などの成分によるアレルギー反応と皮膚から発生する水分が皮膚表面にとどまることによる皮膚のふやけによって起こります。皮膚がふやけた状態になるとバリア機能が低下し少しの刺激でも皮膚炎が起こりやすくなります。傷ができてしまった時には、抗生剤含有のステロイドを23日使用します。なるべく通気性のよい低アレルギー性のテープを使うようにしましょう。

 

 

Q 5

ささくれがひどくて困っています。ささくれが出るとどうしても気になって歯で切り取るのですが傷が広がってしまうことが多いですし、爪を噛む癖と間違われます。何かいい方法はないでしょうか?

 

A 5

ささくれは、指の乾燥、マニキュアによる刺激、ビタミン群の不足、血行不良、体調不良などが原因で生じるといわれています。歯で切り取る行為は口内細菌による感染を引き起こし、傷が広がる原因にもなりますので絶対やめましょう。清潔な専用の爪切りを用いてささくれだけをカットするようにしましょう。

 

 

Q 6

肌が弱いのですが、特に夜、スネやくるぶしの少し上、足の一番細いあたりが痒くてどうしようもありません。我慢できずにかいてしまいますが、小さく赤く複数の毛穴がプツプツと肌荒れしてしまいます。そうならない何かいい方法はないでしょうか?

 

A 6

特に冬の間はこのような乾燥性皮膚炎が起こりやすくなります。足首あたりは靴下などで締め付けられる場所であることも要因のひとつです。かきこわしによる傷ができている場合は抗生剤含有ステロイド軟膏を塗る必要があります。予防法としては尿素入りのクリームまたはボディーオイルなどで乾燥を防ぐためのスキンケアが大切です。入浴、シャワー後まだ身体が温まっているうちに保湿ケアをするようにしましょう。